OSへの思い

 198X年当時、800種とも言われる治療手技でいくつかの派閥を有していた大所帯のボバース軍団、たった4つの治療手技をどんな子供にも使用する小規模だが異彩を放つボイタ軍団、新興勢力は人間行動モデルを盾に作業療法士が考案した感覚統合療法、世はまさにリハビリ戦国時代だった。
 脳性麻痺に対する治療者は、CP-セラピストと名乗り、PT以外は職種へのアイデンティティーを忘れていた。

 卒業したてで通園施設の立ち上げに孤軍奮闘していた私は、大きな疑問を持つに至った。OT自体の役割は何なのか。PTの様に至高の技術を身に着け、対象児の保護者に指導者として接していくことか。否!、生活に根ざした伴走者でいるべきでないか。また、どんなに高度な技術も対象児や保護者に伝わらなければ意味がない。しかし、学校で伝える術は習わなかった。もしかしたら、伝える術を高めることで作業療法が職種として受け入れられるのではと考えた。

 ある時、母親から「先生の治療はボバース法ですかボイタ法ですか」と聞かれました。私は待ってましたとばかり”作業療法です”と答えました。母親は少し不安げな顔をしていましたが楽しそうに遊ぶ我が子の姿には満足げでした。またある時、「感覚統合療法というのをしてもらいたいのですが」という希望には、”今行っている遊びには感覚統合の要素が盛り込まれています。”と伝えるとキツネにつままれたような顔をしながらも、我が子のキラキラした眼差しに安堵を感じていました。

 OS研究会は、作業療法の役割を考え、それを対象児や保護者に如何にして伝えるかを考えていく勉強会にしたいと言う思いから、”伝えるサービス”Operation Service研究会と名付けました。世間では、コンピュータの基本ソフト(Operation System)であるDOS(専用のコマンドをキーボードから打ち込む)からWindows(誰もが専門知識がなくても直感的に操作出来る)へ変わろうとしていた時代でした。

OS研究会代表 上田卓司

OS研究会で大切に続けていること

  • 毎回1ケース、約2時間かけて症例検討を行う。
  • 発表担当者には、現在困っているケースをあげてもらう。
  • 定例会は、偶数月の第二土曜に行う。
  • 定例会にこだわらず、やりたいことできれば不定期にフォーラムとして行う。
  • OSに上下関係はなく、お互いを〇〇さんと呼び合う。
  • 症例検討終了後は、懇親会を行い横の関係づくりに利用してもらう。
  • やりたい人がやりたいことを提案し、賛同が得られれば実施していく。

What is OS?
Occupational Science? Operation System? Occupational Service? Osaka Sagyouryouhou?
NO—-,OS is Operation Survice and Oretachi-no Sakiyuki.